MUNE ATSUSHI | arts & illustrations

オズの魔法に魅せられて・前編〜オズの魔法使(1939)〜

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ムネアツシです。

友達や家族との話題で
好きな映画の話になることは
きっとぼくの周りだけではないでしょう。

ぼくは映画が好きだ。

決してたくさんの作品を
観てきたわけではないし
いわゆる『映画好き』と呼ばれる人ほど
その世界に詳しいこともない。

ただ短く数少ない
ぼくの映画人生のなかで
あなたに薦めたい
一度は観てみて欲しい映画がある。

それが「オズの魔法使」なのだ。

オズの魔法使自体を知らない人は
恐らく少ないだろう。

もしかしたら
「あの不思議の国のアリスみたいなやつね」
程度かもしれない。

ご存知の通りあらすじは
カンザスの田舎でおじさんとおばさんと
愛犬のトトと3人と1匹で暮らす少女
ドロシーちゃんが
ある日巨大な竜巻に飲み込まれ
トトと一緒に吹き飛ばされてしまう。

辿り着いた先は
「オズの国」という不思議な世界。

ドロシーは故郷カンザスへ帰るために
偉大な魔法使い「オズ」のいる
エメラルドの都を目指し道中で出会う
「カカシ」と「ライオン」と「ブリキ」と
旅をするという物語である。

ぼくが始めてオズの魔法使を知ったのは
小学校へ入るより前に家族で観に行った
ミュージカルの舞台だったと思う。

確か親が連れて行ってくれたのだが
自分が行きたいと言ったわけではないし
観た後も「あーこういう物語があるのね」くらいの記憶しか残っていない。

その後ぼくがオズの魔法使と再会するのは
高校3年生の秋だった。

ぼくの通っていた高校は
3年生の文化祭では必ずクラスの演劇をする。

だいたいは当時流行りのドラマや
映画を題材にしたものが多く
ガチンコで取り組むクラスは
劇団四季のミュージカルを
徹底的に再現したりもする。

ぼくが3年生の時に
隣のクラスがガチンコの演劇へ
取り組むこととなり
その題材こそが「オズの魔法使」だったのだ。

当時のぼくとしては
隣のクラスに当時好きだった
女の子が監督(演劇のリーダー)を
務めていたこともあって劇を口実に
クラスの準備や練習を見に行っていたのだが
劇そのものへ大して興味も持っておらず

なんだったら高校生時代のぼくは
どこかひねていて
「クラスで一致団結」みたいな
雰囲気が嫌いだった為
どちらかと言うと批判的な目で見ていた。

しかにぼくの人生は
文化祭当日に変わることとなった。

隣のクラスの「オズの魔法使」の
出来栄えが最高だったのである。

生徒達が演じる主人公の
ドロシーちゃんを初めとする
ユニークな登場人物は
クラスメイトの個性を尊重した
見事なキャスティングだったし
ストーリーもその時点では
原作をよく知らなかった僕でも
きちんと展開を追うことができるよう
「起承転結」でまとめあげられていた。

そしてなにより
学生の文化祭の演劇あるあるの
「ただ演者側だけが楽しそうなぐだぐだ感」も
感じられなかった。

所詮子供が演じる文化祭の演劇だ。
好きな女の子が一生懸命
作り上げた作品だったので
多少贔屓目に見ていたかもしれない。

だがそれを差し引いたとしても
当時18歳だったぼくにとっては
「所詮」の演劇では得られないような
感動を受けるには十分過ぎるほどの時間だった。

見に来られた親御さんからすれば
あれはもう永久保存版だったに違いないし
もしまだ残っているのならもう一度観てみたい。

拍手喝采のなか感動に浸っていたぼくは
それでは飽き足らず「オズの魔法使」の
オリジナルが観てみたいという
更なる欲求すら生まれていた。

大学受験を控えた
高校3年生の冬。

受験勉強の息抜きと言い訳をして
部屋でこっそりと1939年版の
オズの魔法使を鑑賞したのだったが

衝撃だった。

たのしくて。

かなしくて。

温かかった。

受験勉強のストレスも相まって
きっと精神的に参っていたのかもしれないが
布団に篭って泣いてしまった。

因果は定かではないが
案の定その冬のセンター試験はボロボロで
志望していた大学へは受験すら諦めた。

受験の結果は惨敗だったが
いまではそれとは引き換えに
こんな素晴らしい映画に出会えたことが
財産になったとすら思っている。

その後なんやかんやで
大学生になれたぼくは
オズの魔法使の原作小説のハード版から
異なる翻訳版など
更には英語版のペーパーバックまでも
電子辞書を片手に読み漁る始末。

隣のクラスの文化祭のおかげで
この物語はぼくにとって
かけがえのないものになった。

前置きが長くなりすぎたので
次回からオズの魔法使が
いかに素敵なお話であるかを
紹介してゆきます。

ぼくがそうなように
あなたにとってもこの物語が
素晴らしい作品になればと思います。

次はいつ更新できるだろうか。

ほな!

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