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UNKNOWN ASIA ONLINEの闘い方〜2020年を振り返って〜

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ムネアツシです。

本題に入る前に
前回の記事はこちらです。↓
UNKNOWN ASIA 2020 ONLINEに出展しました。

UNKNOWN ASIA2020では
初のオンライン展示会ということで
これまで続けて出展されていた方も、
UNKNOWN ASIAに初めて出展された方も
皆々様えらい苦労したと思う。

準備期間から会期終了までの間では
以前のリアル展示とは共通する点や
異なる点など考えることは様々だったが、
この記事では今後数年しばらくはこの
「オンライン」とあう開催形式が
デフォルト化するであろうことを想定して、
UNKNOWN ASIA オンラインを攻略法する闘い方、
ぼくなりの4つの鉄則をここに残しておきたい。

もちろん会によって仕組みは異なるだろうし
会を重ねれば技術やシステムの変更が加えられ
全てが正しい答えにはならないとは思っている。

しかし以下はこれまでの2度のリアル展示と
一回のオンライン展示を経験した中での
答えの一つであることは間違いない。

これから挑戦する方には是非一度
目を通していただきたいので
まぁお菓子やお酒など召し上がりながら
気軽にどうぞ!!

【鉄則①:サムネイルはとにかく目立て!】

UNKNOWN ASIAの各出展者別の
ブースページへリンクする前に
エントランスページから
各個人のブースページへリンクする手前に
サムネイルページが現れる。

出展者全員ではないが、更新の度に
ランダムでサムネイルが変更される画面である。

事前の説明会では 「自分のブースを仮想した
写真を用意してください。」
というアナウンスがあったので
ぼくも仲間に協力してもらい
作品を壁に展示して仮想ブースの写真を
撮ってもらったのだが、
実際に開催初日他の出店者の
サムネイルを見たときには愕然とした。

GIFアニメーションを駆使して
色取り取り変化するフォントや鮮やかな画像や、
同じくGIFのアニメーションで
自分の作品をスライド形式で
見せていくサムネイルなど
動きを伴った鮮やかな画像ばかりだった。

ニンゲンたるや動きや鮮やかな色が
目に留まるのは悲しきかな原始由来動物のしての性質だ。

ちなみに最初にぼくが用意した
サムネイル写真はコレ。↓

うむ。

笑顔はいいがこれは目立てない。

そして開催当日に苦肉の策で
別のサムネイルに差し替えたのだ。
しかしそれも即席にも程が有る。

アンノウンアジアではリアル展示であれば
個人ブースの背景はデフォルトでは
白か黒の2色を選択できるのだが
隣のブースの人に迷惑のかからない程度や
設営時間の範囲内であれば塗り替えたり、
面いっぱいに展示物を貼ったりと
好きにカスタムができる。

これは自分の作品や
プレゼンの世界観に合わせた
ブースのデコレーション作り込む為や
遠くからでも自分のブースを
見つけてもらえるように目立つ為でもある。
なのでオンライン開催という形態でも
来場者の方と出会う一発目の初見から
自分の世界観を全力で伝えていきたいし、
来場者の方と出会う一発目の初見から
誰よりも早く見つけてもらいたい。

真っ先に自分のページへ興味を持ってもらい
自分の作品を見てもらうためにも
多少でもいい、是非ともここで目立っておきたい。

この入り口の段階からもう
UNKNOWN ASIAは始まっているのだ。

だからぼくはここで声を大にして伝えたい。

【鉄則①】
サムネイルはアニメーションと
色を駆使して誰よりも目立つべし。
見てもらわない限り
「良い」も「悪い」も評価してもらえないのだ。

【鉄則②:ワクワクを横スクロールに乗せて】

リアルの展示での180cm×180cmのブースなら
一目見れば展示された作品はすべて
視野に入ってくるであろうし
一目でどんな「ふいんき」なのかは
だいたいの全体像は掴めるだろう。

しかしオンライン展示となれば別だ。

作品ページの仕様上
目に入る1点ずつしか露出しない。
最大10作品までアップすることができるのだが
すべて見てもらうためには
鑑賞者には一生懸命横へ横へと
スクロールし続けてもらわなければいけない。

しかしこの横スクロールを
繰り返すのは至難の業である。

ぼく自身も他の出展者の方のページを
順番に見させてもらったのが
ひとりひとりの作品を順番に
すべて見ていくのは本当に大変なのだ。

なので正直にいうと何人かの方は
最後の10枚目まで行きつかなかったし
ましてや作品画像のタップすると出てくる
作品詳細ページまでを掘り下げて見ていくには
相当の体力と根気が必要とされる作業になる。

なので審査員のレビュワーの方にとって
ジャッジの為に一日ですべての作品を
見ていかなければならないのは至難の技である。

会期を終えた翌週にレビュワーの方と
お話する機会があったがもうゲッソリとしていた。

ホンマお疲れ様です。
マジでありがとうございました。

つまるところ
自分の作品を見てもらうには
来場者の方には指先とはいえ
エネルギーを消費使して
いただかなければならないのだ。

だからこそ、ここでは
続きが気になるような
配置や工夫をしていきたい。

全てはこれまで
魂を込めた作品等をすべて見て貰い
楽しんでもらう為だ。

勿論方法は作家によるし作品にもよるだろう。

画面上という縛りのあるうえで
オリジナリティ溢れる見せ方、
演出がここで求められるのだ。

オリジナリティのプレゼンや
楽しさを伝えることは
リアルでもオンラインも
どちらも共通して必要なことではあるが
オンラインでは、そしてこの
UNKNOWN ASIAオンラインでは
「横スクロール」という制限の中で魅せなければならない。

大変なのだけれど
この「横縛り」を最大限に生かして
この不自由さを楽しみたい。

【鉄則②】
横スクロールを制する者は(アンノウン)アジアを制する。
みんなをワクワクさせようぜ。

【鉄則③:VIDEO CALLの活用~回線不良は甘え~】

VIDEO CALLとは
UNKNOWN ASIAオンラインでの
個々の出展者ページごとに備え付けられた
いわばテレビ電話システムのことである。

展示会の醍醐味とは
作家と直接会うことができて
作品や制作背景、テーマについてを
話し合えることだと僕は思っている。

作家としても来てくださった方とは
自分や自分の作品についてお話をしたいし
それで新しい発見や次のヒントをえることができる。

もちろん他の作家の方の展示会に行った際も同じくである。

作家は思った以上に孤独で
人との繋がりを求めている。

国を超えて様々な人と交流することができるのが
UNKNOWN ASIAの魅力であり、
今回のオンライン展示会では
この仕組みのおかげで画面越しとはいえ
作家と来場者の方々とがリアルタイムで
コミュニケーションを取ることができた。

だがしかし。

ぼくが今年の3日間で
話ができたのは
たったの4名だったし
その間初日のVIPプレビューでは
一度も人と話すことができなかった。

今年の大きな反省点の一つであり
もし将来科学技術が飛躍的に進歩し
タイムマシンが民間人の使用が認められる日が
来るのであればぼくはこの日に戻りたい。

だからこれから新しくチャレンジする人には
これを伝えたい。

この仕組みのフル活用は絶対なのだ。

これを使わずして何のために
出展しチャレンジを試みたのか。

なのでこのVIDEOコールの操作性と
自分のネット回線の状態は
なるべく早い段階で把握しておきたい。

「家の回線が悪くて、、、。」というなら
初日の午後からでもいいからガストかスタバ行け。

その脆弱な回線よりもずっと繋がるはずだ。

「なるほどよっしゃ!
じゃあこのシステム使って
ガンガン営業かけるぜ!!!」

と言いたいところなのだが
このシステムにはひとつ難点がある。

実は自分宛に来た
着信を取ることはできるのだが
相手への発信はできないことだ。

もちろん話したい相手が
同じUNKNOWN ASIAの
出展者であればその人の
個人ブースページへ訪問すれば
作家本人へコンタクトを取ることが出来る。

テレビ電話の番号は
「出展者」に割り当てられたものであるので
レビュワーや審査員、その他一般の来場者の方へ
「自分から話しかけにいく」ということが
出来ない一方通行のシステムなのだ。

リアルの展示であれば
自分のブースの前を横切った人へ
声をかけて立ち止まってもらうことが出来るだろう。
しかしオンライン展示では出来ない。

だから待つしかない。

だからこそかかってきた電話
コミュニケーションの
非常に貴重なチャンスであるのだ。

136人もの出展者でありライバルがいるなかで
自分に興味を持ってくれた人が
わざわざ直接話したいと
コンタクトを取りに来てくれたのだ。

だから「回線が弱い」だなんて
言ってられないのだ。

もう一度言う。

ガストかスタバ行け。

ぼく自身が十分に活用することが
できなかったことから自身への戒めでもある
だからあなたには同じ思いをして欲しくはない。

【鉄則③】
ビデオチャットはフル活用せよ。
喋ってナンボのUNKNOWN ASIAだ。
そして着信には這ってでも出ろ。

【鉄則④:上じゃない。下でもない。斜め前を向け。】

展示会というものは楽しい。これは当然。
UNKNOWN ASIAもその御多分に漏れることはない。

リアルでもオンラインでもとっても楽しいのだ。

しかしこのUNKNOWN ASIAという展示会は
出展者にとっては楽しいことだけではない。

決してビビらせているわけではないが、
そう。なかなかシビアなのだ。

審査員やレビュアーは
その道のプロばかりであることと、
彼らも遊びに来ている訳ではない(とぼくは思っている)。

なので作品やプレゼン内容について
結構マジなダメ出しされることもあるし
そんな時はマジでへこむ。

また、UNOWN ASIAには
レビュワーや審査員の方からの「レコメンド」と
「レビュワー・審査員賞」というシステムが存在する。

「レコメンド」とはSNSでいう「いいね!」であり
「レビュワー・審査員賞」とはその名の通り
参加するジャッジメンから授けられる賞である。

ジャッジメンが気になった作家に対して
「いいね!」シールが一目でもわかる場所に
張り出されてゆき、その中でも特に優れた作品へ
ジャッジメンごとの賞が授与されるのだ。

そのジャッジが三日間ある会期のうち
初日のVIP prevewの日に行われる。

このシステムはどの作家に関心が寄せられ、
どのブースが注目されているのかが
非常にわかりやすい良心的なシステムなのだが
その反面、作家同士の「いいね!」の数の差も
一目瞭然なので作家としてはかなり胃が痛くなる。

初日では他の出展者の「いいね!」シールが増え
二日目からは受賞シールも貼られていき
反対に自分のブースの埋め尽くされるであろう
はずだったスペースの空白が目立つ。

そして2日目以降の一般来場者への公開期間には
来場者の方は心なしかシールの数を横目で見ながら

ジャッジメンのジャッジを見て
ジャッジされているような気持ちになってしまうのだ。

これはガチで凹むやつ。

ぼくは初年度それで落ち込んで
二日目は自分のブースでふて寝していた。

2年目は落ち込んで
ずっと喫煙時に引きこもっていた。


↑これが凹んでいる時の様子です。

なのでUNKOWN ASIAの出展者は
大なり小なり、深いなり浅いなり
誰しも何かしらの傷を負っているのだ。

だがぼくは声を大にしてこれを伝えたい

「自信を持てよ!!!」と

ここでくじけて
ふて寝したり籠っていたら

マジでぼくみたいになるぞと。

そもそもあなたの作品は
あなたが産んだこどもです。

あなたがきれいに着飾らせて
紹介してあげないで誰がやってくれる。

その子たちの親はあなただけなのです。

凹んでしまえば何のために
その場所に立っているのかわからない。

そしてシールや賞だけが
全てではない。

UNKNOWN ASIAは企業やクライアントや
ギャラリストとのマッチングの場である。

ぼく自身2年目の出展の際は
何の冠も取れずに箸にも棒にもかからないような
結果ではあったがその年に出会った方が
すごく気にかけてくださり
おかげで人生初の個展を開くことができたし
沢山の人との交流の場を設けてくれた。

だから賞や「いいね!」を貰うのは
勿論嬉しいのだがそれが貰えないと
何も生まれないわけでもない。

そして審査員やレビュワーが全てでもない。
なんなら期間中の来場者数で言えば
審査員とレビュワーの数よりも
一般来場者の方の人数の方が多い。

初年度出展したときは来場者の方で
展示していた絵を買ってくださった方がいた。

それまで友達や知り合いの依頼などで
描かせてもらって買ってもらうことはあっても
展示会のその日その場で会った人に
即決してもらったのもその時が初めてだった。

あの時出会ってくれたから
こうして3度目のチャレンジまで
続けられているしだからこそ今でも
作家としての大きな励みとなって
今でも絵を描き続けられているのだとさえ思える。

本当にあなたのおかげです。

本当にありがとう。
感謝してもしきれない。

そういうことだ。

なので結果勿論大事だしそれに尽きる。
しかし結果は得られなくても成果は得られる。

成果は後から必ずついてくるものだし
何が成果は自分が決めればいい。
だからジャッジがどうであれ
胸を張って自分のブースで胸を張っていたいのである。

【鉄則④】
自信を持て。
世界で一番あなたが最高にイケてる。

【鉄則番外編:その他】

ぼくなりに得た鉄則を4つ紹介したが、
まとめきれないような他の反省点は以下の通りだ。
詳しくは書かないのでなんとなくで想像して欲しい。

○日本語だけでいいのか?
 目指すのは大阪でも東京でもない「世界」だ。

○来たら逃すな。
 作品のオリジナリティは見せろ。
 自分のキャラクターも魅せろ。

○何のために出展した。
 誰に何を見せに来た。相手を知って狙い撃ち。

○「見たらわかる」は甘え。
 人間なら言葉で語れ。

○来たら逃すな②
 初めから近づかないやつは追うな。

これを読んで今年の2021年に挑戦する人には
参考にできることはしてもらいたいし、
これまで挑戦したこのある人には
「わかるわ〜。」っつって
酒の肴にでもしてもらいたい。

ぼく自身自分としても
2020年の経験した覚書として
残しておきたいメモ書きでもあるし、

何よりも思うのは今年こそは
去年よりもリアルの展示の場が
たくさん戻るようにとそう願うことなのです。

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