MUNE ATSUSHI | arts & illustrations

ひとつ屋根の下〜マザー!(2017)〜

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過去に「すっごく胸糞悪くなる映画があるよ。」と
紹介してもらった映画に

「マザー!」という作品がある。

ぼく自身YouTubeの予告編レベルまでの
予備知識しか入れず挑んだのだが
まだ観ていない人は是非同様に
何も事前情報を入れずに観てもらいたい。

そしてこのブログを読んでもらいたい。
この後味の悪さを是非ともに分かち合おう。

マザー!(2017年)

●登場人物●
詩人
前妻と死別してから後述のヨメと田舎に住む。
そこそこ有名なスランプ中の詩人。
とてもオープンな性格で
基本的には何でも誰でもバッチコイのオープンスタンス。

ヨメ
ジェニファーローレンス。
詩人の妻として
健気に家の修繕に精を尽くす嫁。
薄いメイクとハスキーボイスが魅力的。
かわいい。ほんとかわいい。
最愛。


詩人とヨメの家に突然訪問した男。
後にわかるが詩人の熱狂的なファン。


男のヨメ。
色気に手足が生えて
歩いてんかってくらいエロい。
ぱんつはグリーン。

●あらすじ●
閑静な田舎でスランプに陥って
なかなか良い詩が降りてこない詩人と
それを支えてながらも
過去に火事に遭った古い家の修繕に尽くすヨメ。

ある日詩人とヨメのもとに
男が家に訪問してくるのだが
医者である男はどうやら民宿と間違えて
家を訪れたらしい。

ウェルカムな姿勢で男を招き入れる詩人であるが
ヨメは不信感を拭えない。

そんな中ヨメが偶然男の鞄の中から
詩人の写真を見つける

ヨメの男への不信感はマックスになるのが
どうやら男は詩人である旦那の
熱狂的なファンであることがわかる。

なお以下ネタバレ全開お送りしていきます。

✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

予告編を観れば自分家(じぶんち)に
どんどん訪問者が増えちゃう
壮大なご近所トラブル系かと思ってました。

なのにどうしてこうなった。

一言で著わすとすれば。
カオスと言って良い。

なんだったら
開始っからモヤっとした
空気が流れ続けているのだが
中盤の訪問者の男と女の息子の葬儀での
参列者の振る舞いから
不快指数は右肩上がりに推移する。

人の家の寝室で一発おっ始めようとする男女や
勝手に壁紙を塗り替えようとする男。
座っちゃいけないダイニングに腰をかける輩。

怒ったヨメは参列者を追い返すのだが
家のなかは荒れ放題になってしまった。

かわいそうなジェニファーローレンス。

この辺りは勿論不快なのだが
観る角度によってはシュールな
ドタバタコメディと受け取れる。
ここまでを前半戦と呼ぼう。

問題は後半戦だ。

月日は流れスランプから脱した詩人は
新刊の出版が決まる。

ヨメも詩人との子供を授かり出産も間近だった。
そんな出版を祝した2人の食事の場に
突如としてとんでもない数のファンが押し寄せる。

 

フラッシュバックするのだが
沢山のファンに囲まれた旦那は
お構いなしで客人を招き入れていく。

おい詩人と。

お前はどこまのオープンな性格なのか。

もう阿呆なのか。

すべてが一軒の家のなかで
起きていることとは思えぬほど
訪問者はやりたい放題。

「やめてよ」「出て行ってよ」と
困り果てたヨメをお構いなしに
会場のボルテージは高まっていく。

ここからがもうカオス。

秩序無き立ち小便から始まり

家財道具の略奪に発展し
暴徒と化する訪問者達。

警察が押しかける。

特殊部隊も雪崩れ込む。

爆撃も始まる。

捕虜となった女子供の叫び声。

出版社担当編集者は
軽快に捕虜の頭を撃ち抜いていく。
(そして爆死。)

エスカレートした訪問者達は
次第に旦那を偉大なる詩人として
祭り上げなかには救済と赦しを求める者も現れる。

そんな瓦礫と爆煙のなか
ヨメの陣痛が強くなり
出産を迎えるとこになる。

後半からの急ハンドルの切り方。
否、ハンドルなどとうに吹っ飛んでいる。

もう一度言おう。

全ては一軒の家の中で起きていることなのだ。

本作と創世記や新約聖書との関連は
別の人のブログを読んでもらった方が
詳しくわかりやすい内容になっているので
探してみてください。

生々しい残酷描写や
キリスト教批判のメタファー。

女性軽視とも受け取れる設定や
環境問題への提起。

 

スキップで超えてゆき
「ひとつ屋根の下」で
これでもかという程ギュッと凝縮したのが
このマザー!という映画だ。

いまこの世界のことをああだこうだと
言わない。言えない。言うつもりもない。
ぼくにはそこまで背負えない。

ただ悲劇から得られるものが
カタルシスなのであれば
この映画にカタルシスの「カ」の字もない。

苦い後味の悪さと怒りとも似た疲労感。

日本での劇場公開が急遽中止されたらしいが

日本人のなかにこの映画に込められた暗喩を
受け取れる程のリテラシーを持つ人が
どれほどいるのだろうかとも思えた。

大問題作であったことには間違いない。
観終えた後は事前情報に違わず
きちんと胸糞悪い思いで寝ることが出来た。

【マザー!を観る】

最期に
この映画は内容は勿論だが
何より僕にとっては主演のジェニファー・ローレンスの素敵さが
もっとも大問題だったのだ。

かわいい。

ホントかわいい。

家の修理を「よっしゃっ」って頑張る姿

お祝いの為に少し頑張ってお化粧した姿

怒った表情とこまり眉。

顔立ちは勿論。立ち振る舞い。
もはや存在のすべてが愛おしい。

まったくもってけしからん程かわいい。

ムネアツシ29歳。
残りの人生でどうやったら
ジェンに会えるのだろうかと
真剣に考えた。

サンキュージェニファー。

フォーエバージェニファー。

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